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映画『カメリア』10月22日公開 ソル・ギョング 吉高由里子 行定勲監督舞台挨拶レポート [韓国俳優取材REPORT]


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こんにちは 上野まり子です。
「映画の殿堂」もオープンし、国際的映画都市となった釜山。その釜山国際映画祭と地元釜山広域市が釜山を舞台にした映画を作りたいと2009年に共同で始動した「釜山プロジェクト」の一環として製作されたのがオムニバス映画『カメリア』だ。テーマは「愛」、映画『怪盗ブラック・タイガー』などで知られるタイのウィシット・サーサナティアン、日本からは『ひまわり』(’00年)で第5回釜山国際映画祭国際批評家連盟賞受賞など海外映画祭でも高い評価の行定勲、『世界の中で愛を叫ぶ』のメガヒットでも知られている。韓国は『地球を守れ!』など各国映画祭で受賞の多い実力派チャン・ジュナンと釜山国際映画祭とゆかりのあるアジアの才能が集結し、個性の違った3監督が過去、現在、未来と時を隔てた3つの愛の物語を表現した。なお、本作品は昨年の「第15回釜山国際映画祭」クロージング作品として上映され、日本での公開が待たれていた。


10月22日(土)の公開に先駆けて、10月3日(月)には新宿バルト9で試写会が行なわれ、
舞台挨拶には『KAMOME』主演吉高由里子さん、行定勲監督が登壇、そして吉高さんが日本の皆様に是非ご紹介したいと言っていたソル・ギョング氏も来日し、ゲストとして登場した。

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吉高さんの“ギョングさ~ん”の呼び声に登場したソル・ギョング氏、“コンバンワ、ドウモアリガトウゴザイマス。”と日本語で挨拶、吉高さんも久しぶりの再会に嬉しいと笑顔を見せた。
“僕も嬉しい”とソル・ギョング氏、“後でご飯食べましょ!ハングル沢山教えて!”の可愛い妹?の早速のおねだりに緊張も解けたようだ。

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行定監督作品という事ですぐに出演を決めたというソル・ギョング氏、短い時間だったが楽しく撮影に臨んだ。良い仕上がりの楽しい作品だとした。

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ソル・ギョング氏の出演を熱望したと伝えられている行定監督は、韓国映画の中で一番好きな作品は『オアシス』、また『ペパーミント・キャンディー』、『シルミド/SIILMIDO』、『公共の敵』などソル・ギョング出演作を挙げ、気迫ある演技をするソル・ギョング氏が自分の作品の中にいる事が今でも信じられないとした。脚本家が『力道山』の撮影現場でソル・ギョング氏と握手したが、大きくて温かい手だったという話を聞き、監督の抱く韓国男性のイメージにぴったりだったという。
運よくポン・ジュノ監督に紹介して貰って実現し、ラッキーだったとした。またソル・ギョング氏の魅力について、この作品は夜の釜山の街をゆっくりと歩く物語だが、日本的な情緒があると指摘された。一見無骨だが繊細な解釈をする人だ。<映画とは何か>を再認識させられる思いだったと振り返った。国が違っても同じ映画人として学ぶ事は多かったと行定監督、実はこのお二人同い年だ。

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ソル・ギョング氏は吉高さんを中学生だと思ったと初印象を語り、しかしいざ撮影してモニターを観るとそこには成熟した女優がいて驚いた。5、6日の短い撮影期間だったが、現場のスタッフ始め、皆を虜にする魅力があり、最終日には名残惜しく、皆涙したと紹介。まるで映画のストーリーのようだった。素晴らしい吸引力のある女優だと述べた。

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一方、吉高さんはすでに始まっていた撮影現場に合流した際、ソル・ギョング氏なのか役なのか区別が付かないほど入りこんでいて尊敬した。大人になるにつれ、秒針に追われ時間に合わせて生きているような気がすると独特な表現、ソル・ギョング氏はそれがないと断言、彼独自の時空間や軸を持つ人、そこにお邪魔した感じだ。お湯に浸かっているような心地良さがあるとした。

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初共演の二人、ではコミュニケーションはどのように?の問いに、“日本語だよ!”と冗談を交えて、特にコミュニケーションを取る努力は必要がなかった。オフタイムも撮影現場の延長線上にある感じだったというソル・ギョング氏。

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吉高さんは、ソル・ギョング氏は栓抜きがなくともスプーン一本で栓が抜けると妙なところを褒めるとソル・ギョング氏が“ポン!!”と指を口にして音を出す。彼女も“それ!それ!”と大喜び、何だが娘が父に甘えている風だ。いや娘を甘やかしているデレデレの父親という感じか。

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私も今やスプーン一本で栓が開けられる、困ったときにはご用命をと言う彼女に会場も爆笑に包まれた。また現場で食べようと思っていたカップラーメンを彼に横取りされたが、韓国では食べ物を独り占めしないのが決まり、皆に配るようにと教えられたとエピソードを紹介すると、ソル・ギョング氏も“映画の現場にあるものは皆のものだとお教えたね!”と懐かしそうに目を細めた。

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お互いの俳優としての魅力は?に吉高さんは何処が良いと言えないほど全て魅力的だったとソル・ギョング氏。“私だって一言では・・・!”と吉高さん。頭ではなく、本能に訴える役づくり、何処にいても一緒なら安心できると絶大な信頼感を示した。

そんなお二人の作品に寄せる想いは。

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『KAMOME』はラブストーリーでもあるが、映画の世界を描いている。せつな的、瞬間的、軽くインスタント的だと言われる現代の恋、この作品では失われたものへの名残惜しさ、失われて行くものを守りたいと思う愛情、過ぎ去ったものを慰めたいという想いなど様々な感情が込められた作品だとソル・ギョング氏。

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喩えるならば、触れてはいるが掴めない、風のような作品だと吉高由里子さん。韓国ロケ中も、その瞬間がすぐに過去になって行く寂しさを感じたとこれまた吉高流の独特の表現だ。

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ソル・ギョング氏も素敵だけれど、行定監督も“モッテます!”と吉高さん。上手に料理して頂いた“さすが!”の言葉に一瞬言葉を失い、“そんな女優いるか・・・!何それ!” と行定監督。怒ると思いきや参ったな、こんな小娘にという感じの満面の笑み。二人が全て言ってくれたので僕からは何もないという監督だが、作品を通じて二人と会えたことは大きな収穫だ。今後の作品が豊かになるだろうとした。釜山プロジェクトの『カメリア』に参加することでもう一度映画を考え直す良き機会となった。製作方法の違う両国、この作品も多くの苦労があったが、撮影が終わると名残惜しいという感情だった。仕事では激しい論争があっても、撮影が終了すると朝まで一緒に飲み交わす仲間意識、それが映画製作の持つ魅力だ。同じものを目指す仲間としてお互い切磋琢磨して行く素晴らしさを味わうことが出来き、とても良い経験だったと振り返った。その結果は作品に表れている。お楽しみいただきたいとした。
ソル・ギョング氏は最後に<一生懸命生きましょう!>とメッセージした。
その後、マスコミによるフォトセションが行なわれた。

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わたしの釜山は、泣いている。

時にあらがう三つの物語

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2011年10月22日(土) 新宿バルト9ほかロードショー

公式ページ
http://www.camellia-movie.net/

【概要】
『カメリア』
上映時間:143分
配給:東映
(C)2010 BALCON/SIDUS FNH

【Introduction】
アジアの才能が生んだ、時にあらがう三つの記憶の物語。
いつの世も、人が望むものは人の変わらぬ愛である。
映画「カメリア」は、時空を超えて愛を求めた男たちの切ない愛の物語。
素 性を知りながら愛する人を待ち続けたスパイ、淋しげな見知らぬ少女にほのかな恋心を抱くカメラマン、引き裂かれた愛を取り戻そうとする青年。「IRON PUSSY(アイアン・プッシー)」「Kamome(カモメ)」「LOVE FOR SALE(ラブフォーセール)」の三篇の愛の物語。過去、現在、未来と時を隔てた三者三様の愛が釜山を舞台に錯綜する。
2010年秋、第15回釜山国際映画祭でクロージング上映され、公開が待ち望まれた本作が、いよいよ日本公開を迎える!
愛を追う男たちの涙は美しい。

【Story】
■「IRON PUSSY(アイアン・プッシー)」

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ウィシット・サーサナティアン監督
出演:ミシェル・シャオワナサイ キム・ミンジュン
1970年代のタイから釜山にやって来たスパイ、アイアン・プッシー(ミシェル・シャオワナサイ。潜入調査に向ったディスコで、謎めいた男ジホン(キム・ミンジュン)と恋に落ちる。そんな“彼女”にある日、暗殺指令が。ターゲットは愛する人、ジホンだった。
暑い国出身の監督ならではの豊かな色彩に彩られた物語は、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさで結ばれぬ愛をコミカルに描く。

■「Kamome(カモメ)」

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行定 勲監督
出演:ソル・ギョング 吉高由里子
撮影カメラマンのヨンスは、靴を履かずに街を漂う少女を見掛ける。ヨンスは、“カモメ”と名乗るこの不思議な少女に付き合い、時を忘れて釜山の夜を歩き回る。そして、彼の中にほのかな恋心が芽生えるがー。
圧倒的な完成度で魅了するのは、行定監督の『Kamome』。映画をこよなく愛する昔気質の撮影監督ヨンス(ソル・ギョング)は不思議な少女カコメ(吉高由里子)と出会い、ほのかな恋心を抱くファンタジー。少女を演じた吉高由里子の透明感ある美しさと、撮影監督を演じた名優ソル・ギョングの視線、仕草、涙といった演技の一つひとつが心に沁みる。観光名所としての顔とは異なる夜の釜山の町並みは、どこか懐かしくやさしい気持ちにさせてくれる。日本人監督ならではの情緒が滲んだ作品に仕上がっている。

■「LOVE FOR SALE(ラブフォーセール)」

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チャン・ジュナン監督
出演:カン・ドンウォン ソン・ヘギョ
記憶の売買が蔓延る未来都市・釜山。恋人(ソン・ヘギョ)との記憶を取り戻そうとする男・ジェイ(カン・ドンウォン)は、愛のため、すべてを懸けて敵の組織に立ち向う。切なくも美しいSFファンタジー。
主演は釜山出身のカン・ドンウォンと、ソン・ヘギョ。カン・ドンウォンが入隊中で、最近の彼の作品にはない恋愛のも。ファンには見逃せない1本となるだろう。


【今日の一言】
『KAGOME』では2つの魂が夜の釜山で出会い、町に導かれながら、何が起こるか見守るような映画にしたかったという行定勲監督。“ソル・ギョングが日本人なら!”と思う時があるが、だからといって自分が韓国で簡単に映画を製作できるかいえば、そうはいかないのが現実だと言う。
行定監督にとって釜山国際映画祭はキャリアを切り開き、国際舞台への道を作ってくれた恩人のような映画祭、恩返しするつもりで参加したと8月10日(水)に行われたマスコミ記者会見で話している。一方ソル・ギョング氏も主演した『力道山』で日本に恩義を感じていると話している。
国家的プロジェクトとして映画製作を後押しする韓国。日本でも多くの作品が公開されるようになった。韓国俳優たちも日本作品に出演する機会も多くなるだろう。少々衰退気味だった日本の作品も若手俳優たちの台頭に活気づいている。作品でも両国間の交流が益々盛んになるように望みたい。
ところで吉高由里子は面白い。1988年東京生まれ、初主演の『蛇にピアス』('08)で日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞新人賞を受賞、一躍本格派女優の仲間入りをして数々の作品に出演している。今年はすでに『GANTZ』、『婚前特急』が公開、11月には『カイジ2』が公開される予定だ。演技も良いが久しぶりに芯のある女優が出てきたという感じだ。その表現も独特で、記者会見や舞台挨拶でぱっとしない日本の女優たちの挨拶にがっかりしていた私にとって、無謀にも思える彼女の大胆な言動はとても新鮮に見えた。行定監督の“そんな女優いるか・・・!何それ!”の言葉はそれを良く現している。今後最も注目の日本女優の一人として期待しよう。

 

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